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2013.08.24(土)

空蝉の君。 〜 5 〜

前回からちょっと間が空いてしまいましたが
空蝉の君。ラストです。

うまく締めれずグダグダになってますが(汗)
それではどうぞ〜



*・。*・。*・。*・。*・。*・。*


「ん・・・」

窓から差し込む眩しい日差しとうっすらと汗ばむ暑さで目が覚める。
陽の高さから今は昼頃なのだろうか。
眩しさで眩む目を片手で覆い、ゆっくりと寝台から身体を起こし隣で眠る彼女の姿を確かめる。

「香蘭・・・?」

昨晩の高熱に侵された曖昧な記憶の中。
妖艶な表情で乱れ、愛らしい鳴き声を奏でる彼女の姿と
欲望のままに貪り味わった、その肌の柔らかさと舌触りが蘇る。

しっかりとこの腕に抱きしめ、その素肌の熱を感じながら眠ったはずの彼女の姿がどこにもない。
広い褥には自分だけが、ただ独り佇んでいた。

部屋の中を見渡し彼女の姿を探していると扉が開く音がした。
音のした方へ視線を移すと食事の乗った盆を手にした彼女の姿が目に映る。
その姿を見つけて安堵する自分に思わず苦笑する。

「志季、大丈夫?」

そう言いながら机の上に盆を下ろすと、こちらに近づいてきた彼女は自分の額へと手を当てて熱を確かめた。

「良かった!熱、下がったね」

嬉しそうに微笑む彼女になにか違和感を覚える。
なんだろう、この感じ・・・。

恥ずかしがり屋な彼女のことだ。きっと昨晩の情事に恥ずかしがって顔も合わせてもらえないんじゃないかと思っていたのだが。
寝台の傍で自分の食事の準備をする彼女の姿を眺めながら問いかけてみる。

「香蘭、昨晩のことだけど・・・」
「ん?志季、昨日の夜はすごく熱が高くて意識がなかったから、どうしようかと思ったんだけど。
薬が効いたみたいで良かったぁ~」
「・・・」

自分が欲しかった答えとは全く別の答えを明るく笑顔で言う彼女の姿に言葉を失う。
あれは夢、だったのか・・・?
自分が彼女を欲するあまりに描いた都合のいい妄想だったのか?
しかし、それにしてはあまりにも・・・

身体中にリアルに残る彼女の感触と熱に、とても夢だとは信じがい。
ふと、夢中でその白い肌に刻んだ無数の紅い印を思い出す。

「・・・香蘭。ここに座って」
「え?なに、志季?」

キョトンとした顔で言われるがままに寝台にちょこんと腰をおろした彼女が可愛くて思わず抱きしめる。

「え?!な、なに?!」

いきなりの抱擁にびっくりして自分の腕の中でもがく彼女を、逃がさないようにとギュッと抱きしめる。
あれが夢じゃないなら、彼女の胸にはその痣が残っているはず・・・

「香蘭。これ・・・脱いで。」
「え。」

カチンと音を立てて固まった彼女の服の襟元を指先でクイッっと引っ張り、その白い胸元を確認しようとすると

「なっっ?!し、志季のスケベーっっっ!!!////」

顔を真っ赤に染めた彼女はそう叫びながら全力で私を突き飛ばし、急いで部屋の外へと逃げ出していくその様子にはっと我に返る。

「こ、香蘭!ごめん!謝るから帰らないでっ!!」

叫ぶ自分の声がしんと静まり返った部屋に虚しく響き渡る。
夢なんかに浮かされて、なにをやっているんだ自分は!

独り取り残された部屋で彼女の出て行った扉を見つめ激しく後悔していると、しばらくして部屋の外へと逃げ出した彼女がそろりと扉から真っ赤な顔をのぞかせる。

「・・・そこのご飯、ちゃんと食べてね」
「香蘭!その、本当にごめん!ちょっと寝ぼけてて・・・」

苦しい言い訳で、なんとか許してもらおうと寝台から出て扉のそばに行こうとすると

「・・・また、後で来るから。
それまでには・・・ちゃんと目を覚ましといてね。」

そういうと顔を引っ込め、静かに扉を閉めてしまった。

「はぁぁ〜・・・」

そのまま寝台に倒れこむと昨夜の出来事が夢だったということに落胆しつつ、彼女がまた戻ってきてくれるという安堵感に大きなため息が零れる。ふと寝台の脇にある机をみると盆の上には彼女が作ってくれたであろう食事がほんのり湯気を立てている。また戻ってきてくれる彼女を思い、その食事を食べようと起き上がろうとした時、腕がヒリヒリとすることに気がつく。
袖をまくって見ると、そこには赤い引っ掻き傷がついている。

どこでつけたものだろうと思いを巡らせていると、昨夜の夢の中での彼女を思い出す。
その快楽に自分の腕に爪を立て、必死でしがみついてくる彼女の姿・・・。

「・・・夢、じゃない?」

その傷をそっと指でなぞりながら、ゆっくりと瞼を閉じる。
そう。きっとあれは夢じゃない。

この身体で感じた彼女の熱と香り、その声を思い出しながら
ゆっくりと瞼を開ける。


君に言ったよね。
私は君じゃないと駄目だって・・・。

今回だけ。
今回だけは逃がしてあげる。

でも。
次は逃がさない。

次に捕まえた時は
一生離さないから覚悟してね。


*・。*・。*・。*・。*・。*・。*


ひと夏の夜に現れた君はまるで空蝉のよう。
この甘い一夜を胸に抱き
大空を飛び回る君をこの手に捕らえ
その身を抱く夜を夢に見る

そう。
それはそう遠くない未来の話・・・。




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