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2013.08.15(木)

空蝉の君。〜 1 〜

やめとけばいいのに
続きものです(汗)

なんだかRになりそうな予感・・・


今更ですが。
ピュアじゃないとダメっ!と
いう方はお気をつけください。


では、どうぞ^ ^



*・。*・。*・。*・。*・。*・。*



今夜だけでいい・・・
私の願いを聞いて・・・


夢うつつの中
彼女の存在を確かめるように
その細い指先から指の間へと
ゆっくりと自分の指を這わせる

ビクッと震えるその手に指を絡め
逃げられないようにと
しっかりと手を絡ませる

微かに震える
その紅く染まった手を辿り
彼女の顔へ視線を移すと

真紅に染まった顔で
目尻に涙を浮かべたその瞳と
視線が合わさる

何か言いたげに戦慄いている
その唇から覗く紅い舌に

自分の中で
何かがプツンと音を立て
切れる音が聞こえた気がした・・・


*・。*・。*・。*・。*・。*・。*

「え!志季が倒れた?!」

いつものように王宮へ訪れた香蘭を迎えてくれたのは
笑顔の志季ではなく、浮かない顔をした側近の二人のだった。

「はい、昨晩より高熱が続き熱がなかなか下がらないんです」
「侍医のよると最近流行っている夏風邪だろうとのことですが・・・」

確かに巷では夏風邪が猛威を振るっている。
じっちゃんと一緒に何人かの患者を診たが
この暑さと高熱にやられ、衰弱した身体が回復するには
時間がかかっていた。

「あ、あの!私、志季の看病を手伝ってもいいですか?」

心配そうに話す二人に、居ても立っても居られなくなった香蘭は
看病を申し出た。

「もちろんです!香蘭殿なら医学の知識もあるので、安心して看病をお任せできます」
「陛下もきっと喜びますよ」

側近の二人からあっさりと看病の許可をもらった香蘭は志季の部屋へと案内される。
ちょうど午後の診察が終わった頃だったようで、侍医から一通り症状などを確認すると
それではお願いしますと側近より言葉をかけられ、静まり返った部屋には志季と香蘭の二人っきりとなった。


天蓋の向う側から息苦しそうな呼吸が聞こえる。
そっと近づき中を覗くと高熱に浮かされる志季の姿が。
苦しそうなその様子に、少しでも楽になるようにと
香蘭は用意された手桶の氷水に手拭を浸し硬く絞ると
志季の顔や首元の汗を拭い、首の下へ手拭いを当ててやった。

その気持ちの良い冷たさに、遠退いた意識がぼんやりと浮上する。
重たい瞼をうっすらと持ち上げると、そこには心配そうに自分を見つめる香蘭の姿が。

「・・・こう・・・らん?」

混濁する意識の中、ぼんやりと目に映る彼女の姿は
夢か現か、それとも幻か。

「・・・志季、大丈夫?」

そう心地よい声で自分を心配する彼女の存在を
確かめようと彼女へ手を伸ばそうとするが、身体がまるで鉛をつけているように重く
手を伸ばすことができない。

「・・・まだ熱が高いから、もう少し眠って」

香蘭の顔へ視線を移すと彼女は柔らかく微笑んだ。

「私はここにいるから。志季の具合がよくなるまでついてるから・・・」

私の視線に香蘭はそう答えると、その小さな冷たい手で私の目を覆った。
その彼女の柔らかな手の感触と心地よい冷たさに、私は再び意識を手放した。


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